最高のデザイナーは打ち合わせ中にプロトタイプを作る。

デザイナーとして働く
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デザイナーとして仕事をしていると、打ち合わせはつきものです。
会社として打ち合わせをする場合、個人として打ち合わせをする場合、また、大人数なのか1対1なのか、いろんなパターンがありますが、まあしょっちゅう打ち合わせをすることになるでしょう。

デザイナーであれば最初の提案、ラフ案作成後の説明、納品物の最終チェック・プレゼンなど、実に様々な打ち合わせがあります。
中でもとりわけ重要で、しかも回数が多いのが「最初の提案」です。

デザインの依頼をいただいたクライアントの元に赴き、作成したいデザインの概要や要望を聞く非常に重要な打ち合わせです。
ここできちんと相手の要望を聞き出せるか、自分の中にあるデザインのイメージを固められるかが鍵になってきます。
そんな大事な打ち合わせですが、これが意外に多い。

デザイナーとして働くと気がつくと思いますが、全ての提案が通るわけではありません。
時間をかけて練りに練ったプレゼンが評価されず、結局案件の受注に結びつかないことなんて日常茶飯事。
だからこそ私たちデザイナーは様々なクライアントと初回の打ち合わせを行い、最適な提案をして受注の成功率を上げることが求められます。

そんな私たちが成功率を上げるためにやるべきことは何でしょうか?

美しいプレゼン資料を作ること?
何度もプレゼンの練習をすること?
クライアントを飲み会に行くこと?

どれも大事ですが、本質的ではありません。

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何が重要なのか?

私も数年間、企業のデザイナー・フリーランスのデザイナーとして様々なクライアントと打ち合わせをしてきました。
その中でいつも思うのは、一発の打ち合わせで完璧な提案はできない。
ということです。

もしあなたが一回の打ち合わせだけで完璧な提案ができるのなら、多分あなたは天才です。
ですが、多くの場合、一度話しただけで相手の要望を100%理解してそれを形にすることは不可能です。

そもそも初めて会った相手は心を開いていないので、自分の中にある要望を全て吐き出してくることはまずありません。
しかも相手は大抵の場合、デザインについては素人です。
頭の中にモヤモヤとした要望はあるけど、それがどのように形になるのかを想像できていないことがほとんどです。

そんな状態で一発OKの提案をするのはほぼ不可能。

であれば、素早く提案をして、素早くフィードバックをもらう。
そしてその提案の精度を限りなく100%に近づけていく努力をすべきです。

そして、その精度が上がるのは早ければ早いほうが良い。
クライアントは今日言った要望を明日には忘れてしまうものです。(驚くべきことに、これは事実です)
それに、きっとあなたの提案には他のデザイナーたちという強豪がいるはず。

であれば重要なのは精度とスピード。
そして、僕の経験上、最高のデザイナーはこの「スピード」を最も重視していると感じています。

最高のデザイナーはその場でラフを作る

さて、ではどうすれば 提案→フィードバック→再び提案 のフローを高速化できるのでしょうか?

要望を聞いて次の日に提案する?
これでは遅すぎます。

要望を聞いたその日のうちに提案する?
これはこれで喜ばれるでしょうが、それでもまだ遅い。

最高のデザイナーは、その場で提案します。

いや、、無理やん。

という意見はごもっとも。
ただしここでいう提案とは、わざわざパワポに綺麗にまとめるような提案ではありません。

最初の打ち合わせで重要なのはいかに素早くお互いの認識・デザインイメージを近づけるか。
だったらわざわざ資料にする必要もありません。

相手の話を聞きながら、手元のAdobe XD、やIllustratorでラフイメージをサクッと作ってその場で見せるだけでOKです。

もっと言えば、そこまでしなくても大丈夫。
白紙の紙を取り出して、相手の要望を聞きながらデザインイメージをスケッチするだけでも十分です。

とにかく大事なのは可視化すること
それを初回の打ち合わせ、しかもリアルタイムで行うことで、方向性のすり合わせスピードは飛躍的に向上します。

しかも、目の前ですぐに形が出来上がっていく、というのはクライアントからしてみれば本当に、ものすごく嬉しい出来事です。
これはデザイナーにとっての一種のパフォーマンスみたいなもので、ちょうど、鉄板焼き屋さんの板前が目の前で華麗な技を披露するのと一緒です。

目の前で今まさにパフォーマンスが行われている。
それを見た時私たちは、相手が「プロ」なんだと確信するわけです。

私たちデザイナーとしては、目の前でラフ案を作って見せることが最高のパフォーマンスになります。

私が尊敬しているデザイナーで「NOSIGNER」の代表、太刀川さんの講演会を数年前に見に行ったことがあります。
その時太刀川さんは、NOSIGNERとして打ち合わせに行った先でメンバーが打ち合わせ中、ものの数十分で作成したというラフ案を見せてくださいました。

それはもはやラフ案、、でもなく、ほぼ完成形のように見えましたが、それがリアルタイムに、打ち合わせ中に出来上がったのだとしたら、クライアントはさぞ興奮したでしょう。

僕だったら興奮しすぎて鼻血を出すかもしれません。

最高のデザイナーはその場でラフを作る。

これは私の持論ですが、数年デザインの現場を経験してたどり着いた最高のテクニックでもあります。

実は僕もその場でラフを作る

なんとなくお気づきかもしれませんが、
はい。
私自身、初回の打ち合わせの時に、その場でラフを作るようにしています。

別に自分を「最高のデザイナー」と言っている訳でもないのですが、そうなれるように、初回の打ち合わせに全集中、水の呼吸しています。


そしてやはり、最初の打ち合わせでいきなりその場でラフを作ると、クライアントはとても喜んでくれます。

手書きでも、雑なプロトタイプでもいいから、とにかく作って見せること。

これにこだわり、クライアントの考えを理解することにフォーカスすることこそ、デザイナーにとって最も重要なことなのだと思います。

まとめ

・大事なのはクライアントの考えを理解し、それを最速で“可視化”すること。

・初回の打ち合わせではその場で可視化できるようにする

・可視化するラフ案は雑でもいいし、手書きでも良い

その場でラフを作るにはある程度の経験が必要ですし、XDなどのソフトで作るならその操作に慣れている必要があります。

ハードルは高いですが、これがデザイナーにとっての最高のパフォーマンスであることは間違いありません。

その場で可視化がいつでもできるように、これからも修行を続けていきましょう。

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