デザイナーが学ぶべき本。WIREDを読もう。

デザインの本

皆さんはWIRED(ワイヤード)という雑誌をご存知でしょうか?

デザイナーであればぜひ知っておいてほしいこの雑誌。
書店に行けば置いてあると思いますので、ぜひ手にとってみてください。
このWIREDはとにかくオシャレ。
ブランディング、デザイン、内容、その全てがオシャレです。

今回はデザイナーこそ是非とも読んでほしいこの「WIRED」という雑誌について語っていきたいと思います。

WIREDとは

WIREDは何もかもがオシャレな雑誌で、アメリカで1993年に生まれてから今日までずっと出版を続けている歴史ある雑誌です。
日本版は2011年から創刊され、今でも書店に並んでいます。最新版は39巻。
3ヶ月に一回のペースで、年間合計4巻が出版されています。

WIREDのテーマは「未来がどうなるか?」このテーマについて、科学、IT、アートなど毎回違う視点で切り込んでいきます。
テクノロジーの話題が多い印象ですが、それ以外の幅広い分野で語った記事が掲載されていて、飽きることなく読み続けることができます。

また、WIREDは雑誌でありながらWebメディアでもあります。

WIRED.jp
『WIRED』はテクノロジーによって、生活や社会、カルチャーまでを包括したわたしたち自身の「未来がどうなるのか」についてのメディアです。最新のテクノロジーニュースから、気になる人物インタヴューや先端科学の最前線など「未来のトレンド」を毎日発信。イヴェント情報も随時アップデートしてお届けしています。

こちらのWebサイトも超かっこいい!
あまり日本では見られないようなデザインですね。
少し外国のサイトっぽい印象です。

雑誌だけでなく、こちらのWebメディアもオシャレでカッコいいのでぜひ見てみてください。

WIREDの魅力を語る

さて、ここからはWIREDの魅力をデザイナーの目線で3つに分けてご紹介していきます。
この記事でWIREDが気になったという方は是非書店でWIREDを購入してみてください!

とにかく見た目がカッコいい

WIREDは見た目がとってもカッコいいです。
まずはその表紙をご覧いただきましょう。

2018年発売のNo.31

こちらはかなり前の表紙ですが、シンプルでかっこいい。
毎回特徴的な写真やアートを表紙に使っています。
WIREDは毎回新しい雑誌が出るたびに、表紙で私たちのデザイナー心をくすぐってくれます。
僕が特にお気に入りなのは2019年に発行されたNo.33の表紙です。

No.33「MIRROR WORLD」

このNo.33では「MIRROR WORLD」というテーマで未来を語っています。MIRROR WORLDは実在する物理的な世界とは別の世界を表す言葉であり、それを表現するために、表紙の全て、WIREDのタイトルすらもを反転させるという、ものすごくクールな表現をしています。

そして、そもそもこの雑誌、サイズがおかしいです。
大抵の本はA4とかB5であることが多いですが、この本は限りなく正方形に近い形をしています。書店に並んでいる本で正方形のものはほとんどないので、この形のおかげで書店でもひときわ目を惹いています。

表紙のカッコよさ、サイズ共に他の雑誌とは一線を画しており、とにかくカッコいい。
カフェでエスプレッソ片手にWIREDを開けば、気分はたちまちクソオシャレデザイナーです。

思わず手に取ってみたくなるカッコよさ。
これはWIREDの魅力の一つです。

②内容がカッコいい

すでに書きましたが、WIREDのテーマは「未来がどうなるか」ということ。これがまたカッコいい!
そして、このテーマはあまりに壮大。
我々がこの地球に存在する以上、常に“未来”という概念は存在しているわけなので、これから先どれだけの雑誌を発行したとしても決して書ききることはできない、
それくらい、壮大なテーマです。

WIREDを開くと分かりますが、この雑誌は「未来がどうなるか」というテーマの論文を何枚も掲載しているような雑誌ではありません。時に専門家を取材したり、時に編集者が自分の考えを書き連ねたり。
1冊の雑誌の中に、多様性に溢れた情報が詰まっています。

だからこそ、この雑誌は少し難解です。
そもそも何が書かれているかを理解するのにかなり頭を使いますし、学術的な内容も多いので、決してスラスラ読めるものでもありません。
普通の雑誌だと思って読み始めると途中で飽きてしまうと思います。

ですが、「未来がどうなるか」というテーマに挑むためには、ある程度難解な内容になるのは必然。
それに、多少難解であるからこそ、この雑誌がいかに“本気で”情報を発信しているかを体感することができます。

この雑誌は、巷で話題の情報を詰め込んだ情報誌でもなければ、お洒落な雑貨を掲載しまくるような雑誌でもありません。
「未来がどうなるか」を解き明かすプロジェクトが1冊の本にまとまっているかのようなイメージです。

私たちは毎回、新しいWIREDを手にするたびに、「未来がどうなるか」についての最先端の情報を知ることができ、自分たちでもまた「未来がどうなるか」を考えなければならない。
この本は、中身こそ、最高にカッコいいのです。

③レイアウトがカッコいい

WIREDはデザイン的に、非常に優れています。
こんなレイアウトの雑誌は見たことがないというくらい、鮮烈なデザインをしています。

僕がお勧めするNo.33から一部、中身を見てみましょう。

一部赤い背景と斬新な文字組みが特徴的(No.33)

普通の雑誌だったら白の背景に一般的な文字組みでまとめそうなページでも、WIREDはそこに遊び心を盛り込みます。
左側を大胆に写真だけ、右側には2カラムの文字組み、そして記事の中で強い印象を残したキーフレーズを大々的に配置。
しかもそれが他のテキストを押しのけて配置される。
という、なんともカッコ良いデザインです。

ページ自体の向きがここだけ違う。これは驚いた。(No.33)

これは僕が写真の向きを間違えてこのWebに貼り付けているのではありません。
ここから数ページ、ページの向きが横向きになっているのです。

初めて読んだ時、このページが何かのミスかと思いましたが、これもWIREDの演出。
ここから数ページは本を横にして読んでいかなければなりませんが、見開きページの上下で写真、テキストと明確に分かれているデザインは非常に魅力的。
ページを読み進めるごとに次々に斬新で画期的な演出をしてくれるところもWIREDの魅力です。

④アートがカッコいい

さて、WIREDの魅力はこれだけじゃありません。WIREDは雑誌の表紙や中のページに使われるアートもカッコいいのです。

いくつか紹介します。

目を引くアートが配された表紙(No.27)

「サイエンスのゆくえ」というテーマのNo.27。この表紙には、まるで宇宙を眺める大きな部屋のような、もしくは夜空を映し出す巨大なスクリーンがある部屋のような、そんな風景のアートが大々的に掲げられています。

数学感・サイエンス感のあるアート(No.27)

こちらも同じくNo.27。とあるページに掲載されていたアートが目を惹きました。3Dグラフィックで作成されたアート。不気味でありつつ、どこか数学的な要素のある幾何学をベースとした形で構成されています。この他にも同様の3Dアートがいくつも掲載されており、視覚的にも楽しませてくれます。

コラージュアートとページの色がおしゃれ(No.27)

こちらは写真を使ったコラージュアート。どこか「Clean Bandit」のアルバムジャケットを彷彿とさせます。にっこり笑った男性の口元が、逆に不気味な印象を与えますね。このページではページ自体の色が青っぽくなっており、これもまた一つの演出として、非常にカッコ良いです。

このように、WIREDには表紙や各ページに様々なアートが散りばめられています。それはまるで小さな美術館の中を歩いているかのよう。雑誌の中に数々のアートがあることで、WIREDは他の雑誌とは一味も二味も違う魅力を見せてくれます。

デザイナーこそWIREDを読んでほしい!

WIREDにここまで惚れ込んでしまうのは、筆者の好みにベストマッチしているからかもしれません。ですがみなさん、書店で手にとってみれば、そのカッコよさを必ず実感できるはずです。特に、デザイナーであれば、この雑誌をみるだけで新たな発見をすることができるでしょう。

WIREDは斬新なデザインとブランディング、そのどちらも参考になりますが、一番参考にすべきところは「アート」だと私は考えています。すでに語りましたが、WIREDには数々のアートが散りばめられています。中を開いて読み進めれば、まるで小さな美術館の中を歩いているような感覚になります。ですが、その「アート」がWIREDの中では「デザイン」に内包されています。いや、「アート」と「デザイン」の均衡が保たれている、と言った方が良いでしょうか。

デザイナーにとってアートへの造詣は非常に重要な要素だと筆者は考えています。アートへの理解や興味がデザイナーに新しい発想を与えてくれるかもしれないし、アートを学ぶことは、それすなわちデザインを学ぶことです。だからこそ、アートとデザインが混在するWIREDという雑誌を、是非ともデザイナー達に読んでほしい。

それが、この記事で伝えたかったことです。

それから、WIREDがカッコ良すぎるということも、伝えたかったことの一つです(笑)

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